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すみません・・最近本当にネタがなくて。。


収容所群島(1) 1918-1956 文学的考察
ソルジェニーツィン / / ブッキング
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旧ソ連の政治犯などが≪ぶち込まれた≫矯正収容所についての書物です。
書評を書ける自信がないので・・・自分の考えをまとめる意味で心に刺さったくだりのみ抜粋しました。興味のある方は御一読を。興味のない方はスルーでw


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私たちはブトゥイルキ監獄の駅(駅とは囚人たちを受け入れたり、送り出したりする場所のことで、この名称はぴったりしている。それに表玄関は立派な駅に似ていた)へ連れて行かれ、大きな広々としたボックスへ追い込まれた。

(中略)

三時間誰も私たちをかまわなかった。誰も扉を開けなかった。私たちはボックスの中をぐるぐると歩きまわって、疲れては石のベンチに腰を落とした。小枝はなおも揺れていた。明るいすき間の向こう側でずっと揺れ続けていた。スズメたちは気が狂ったように囀り交わしていた。

突然、扉が大きな音をたてて開いた、そして私たちの中の一人、年のころ三十五歳ぐらいのおとなしい会計係が呼び出された。彼が出ると、扉が閉まった。私たちはさらに激しく箱の中を走り回った。どうにも心の高ぶりを抑えることができなかったのだ。

またもや扉をガタガタとさせる音。別の者が呼び出され、まえの者が戻ってきた。私たちは彼のもとに殺到した。しかし、それはもはやあの彼ではなかった!
その顔には生気がなかった。その大きく見開かれた目も盲(めしい)同然であった。彼は頼りなさげな足どりでボックスの滑らかな床のうえをふらふらとよろめいていった。なにか強烈なショックを受けたのだろうか。アイロン台ででも殴られたのだろうか。

「どうした?どうしたんだ?」

私たちは胸を締め付けられる思いで訊ねた(彼は電気椅子から戻ってきたのではないとしても、少なくとも死刑の判決を受けたのにちがいない)。宇宙の終末を告げるような声で、会計係はようやく呟いた。

「五・・・・・年だ!!!」

それからまた扉が大きな音をたてた。が、今度はまるで小用を足しに便所に連れ出したみたいに、瞬く間に戻ってきた。戻った男は満面に笑みを浮かべている。彼は釈放されたみたいだ。

「どうだ?どうだった?」

私たちは甦った希望をもって彼を取り囲んだ。彼は笑いをこらえきれず、片腕を大きく振りまわした。

「なに、十五年さ!」

その答えはあまりにもばかばかしく、とてもすぐには信じられなかった。


木村浩訳「収容所群島1」
第六章367項『その年の春』


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by love_chicken | 2007-11-06 00:00
久々のエントリーでなんですが、ネタがありません・・・スミマセンw

とにかく・・・最近、完全に呑み処が固定化してきています。
以前心掛けていた『開拓精神』はどこへやら。
いかんなぁ・・・と思いつつ、定点飲酒しています(笑)

そんな訳で、私を知る極少数の方に・・近況報告を兼ねて我が事を。。。

***

以前より散々撒いてきた種が芽吹き、成長し・・この秋、やっと収穫の時期を迎えました。。

五島に引き続き、韓国でもようやく本格的なプラント販売に・・・今日こぎつけました。
海外では初めてのご成約。
(といっても、この案件は間接的にしか関与しないんだけどね~)
しかも大学への納品なので、確かな実績として、これから期待が持てそう・・・
それ以外に、韓国に大規模な案件が3件、米国に2件控えているので、そちらの収穫も急ぎたいところだが・・・・・・これらの物件は来年にもちこしかな?

あと、新たな話しがベトナムからも来ているようなので、そちらの話も進めたいところ。。

あ、試験は・・・・・・落ちました。また来年頑張りますorz

***

そういえば、先日はじめてガンダムハラスメントなるものを受けました(笑)

仕事で呑んでいたところ、突如としてガンダムの話になり、皆で大いに盛り上がったのですが、私には何のことだか全く分からずに・・・かなりコケにされました(泣・笑)
ガンダムを知らない事が、かように恥ずかしい事だとは知りませんでした。。
(ふんだふんだ・・知らないのがそんなに悪いのかよぉぉぉぉ~)

どうも、私の天邪鬼は昔からのようで・・・
「キン肉マン」、「ガンダム」、「キャプテン翼」などが流行り、皆が大騒ぎしていた頃、全くそれらに見向きもしない、可愛げのない子供だったから。。。
今更ながら後悔(?)しています。ははは。
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by love_chicken | 2007-11-05 00:00
収容所群島(1) 1918-1956 文学的考察
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旧ソ連の政治犯などが≪ぶち込まれた≫矯正収容所についての書物です。
書評を書ける自信がないので・・・自分の考えをまとめる意味で心に刺さったくだりのみ抜粋しました。興味のある方は御一読を。興味のない方はスルーでw


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イデオロギー!
それは邪悪な所業に必要な正当化と、悪党に必要な長期にわたる頑強さを与えるものである。それは、自分の行為を自分と他人に対してその潔白を証明し、非難や呪いでなく、名誉と尊敬をもたらすことを助ける社会的理論である。

(中略)

イデオロギーのおかげで二十世紀は何百万という人々を殺害する邪悪な所業を体験しなければならなかった。これは否定することも、無視することも、沈黙を守ることもできない事実だ。
いや、それでもなお私は悪党なのではありえないと主張できるだろうか。その何百万という人々をいったいだれが殺したのか。悪党がいなければ≪収容所群島≫も存在しえなかったのだ。


木村浩訳「収容所群島1」
第四章240項『秘密警察』


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散歩から監房へ戻るたびに、いつものことだが、まるで改めて逮捕されたみたいな感じになる。この豪華な私たちの監房でさえも、息がつまりそうな気がする。

散歩のあと何か口に入れるものがあると気分がいいのだが、そのことは考えまい、食べ物のことは考えないことだ!
もしこんな時に、だれか差し入れを貰っているひとが他人の気持ちなど考えずに、食べ物を出して食べはじめようものなら、それは辛い。なに、かまうものか、自制心を鍛えるのだ!

本の著者が作品のなかで食べ物を微細に味わって誘惑するのも辛いことだ

いや、そんな本は捨てろ!ゴーゴリは捨てろ!チェーホフも捨てろ!あまりに食べ物のことがおおすぎる!

「彼は満腹だったが、それでも仔牛の肉を一人で平らげて(畜生!)ビールを飲んだ」


精神的なものを読むことだ!
ドストエフスキー――そうだ、彼の本こそ囚人が読むべきものなのだ!
だが、ちょっと、待ってくれ。そのドストエフスキーにしてからが、こんな個所があるのだ

「子どもたちは飢えていた。
       もう何日も彼らはソーセージ以外に何もお目にかかっていなかった」


木村浩訳「収容所群島1」
第五章292項『初監房―初恋』


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宗教心やナショナリズムなど・・・イデオロギーの恐ろしさは過去の歴史ひもとけば容易に思い知ることなんだけど、なかなかつかみどころのない概念ですよね。様々な切り口があると思うけど、本著者の定義はなかなかのものだと思います。

監房での飢餓苦をあらわしたくだりですが、なんともロシア的な言い回しですよね。
非常に辛い状況なんだけど・・・痛烈な皮肉と、ちょっとした滑稽さに著者の精神的な強さと、置かれた危機的状況が伺えます。。
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by love_chicken | 2007-11-05 00:00
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